活動を一度定義して終わりにせず、継続的に進化させるパターン。対象活動の指標(KPIなど)と計測方式を設計段階で定義し、実行と並行して計測を行い、その結果をフィードバックループとして活動自体を再設計(スパイラルアップ)し続ける。
指標を持たずに活動を実行し続けると(行き当たりばったり型)、改善の方向性が定まらない。四半期末に振り返り会議をするだけでは(事後アンケート型)、リアルタイムな方向修正ができず「頑張りましょう」で終わる。また、本来の目的とずれた指標を追いかけることで(指標のすり替え)、活動が形骸化する。
Activityを実行して終わるだけの状態。結果が良かったのか悪かったのか誰も分からず、永遠に同じやり方を繰り返します。
後になってから定性的な振り返りを行う方式。客観的な指標がないため「頑張った」「次回は気をつけよう」という精神論になりがちです。
「活動」の設計だけでなく、それを計測する「指標計測器」の構築をセットで行います。計測器は活動の実行環境(利用するもの)として組み込まれ、収集されたデータが継続的な「改善」と「再設計」のフィードバックループを回し続けます。
昨今のカーボンニュートラルにおける「EV(電気自動車)化」を例に考えてみましょう。カーメーカーは「社会課題の解決」を掲げていますが、実際に追及されている指標はLCA(ライフサイクル全体)での「CO2排出量の削減」ではなく「EVの販売台数」にすり替わっています。本来の目的に合致する客観的な指標が定義されていないため、いくらEVを量産しても、製造過程で大量のCO2を排出し続ける「グリーンウォッシュ」に陥ってしまうのです。
カーボンニュートラルを謳いながら、メーカーごと・車種ごとのCO2排出量がリアルタイムで公開されていないことに疑問を感じませんか? 本来であれば、自動車が走行する時だけでなく、資源の採掘・製造・販売・保守・廃棄に至るまでのライフサイクル全体(LCA)での排出量を計測し、削減の寄与度をリアルタイムで可視化すべきです。
しかし従来の手法では、実行(自動車製造や走行)と計測が完全に分離されており、あとから手作業でアンケートを取るような非リアルタイムな手法に終始しています。これでは、日々の運転行動や製造プロセスの微細な改善を効果的な削減へとフィードバックすることは不可能です。
AbCにおける「改善パターン」は、活動それ自体の設計に加えて、その活動をリアルタイム計測するためのメタな「活動(指標計測器)」を同時に設計・結合します。
指標計測器が活動のMechanism(実行環境)として組み込まれるため、活動が行われるのと完全に同期して、客観的な実績データが自動的に収集・蓄積されます。集計された「指標計測値(データ)」はすぐさま「改善策検討」プロセスへと流れ込み、フローの再設計(スパイラルアップ)を自律的にトリガーします。このように、実行と並行して機能する自動計測器を設計図そのものに組み込むことが、形骸化しない真のカイゼンプロセスを支えるインフラとなります。